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転載・・・「文化芸術論 ロックと平和」by山川健一


2011-06-10 17:52:39
芸術文化論「ロックと平和」(山川健一)資料

 先日、山川が行った「芸術文化論」のノートです。
 音楽を聴いてほしかったので「ノートはとらないでもいいです。後日、ノートを文芸学科のブログにアップします」と言いましたが、これがそのノートです。参考にしてください。

芸術文化論「ロックと平和」

19世紀末に登場し20世紀を決定した3つの思想
・ニーチェの哲学。
・フロイトの精神分析。
・ダーウィンの進化論。
・これらの思想が揃って神を否定し、そのおかげで20世紀は科学技術の進歩が促進され、しかし人間は孤独になった。自動車が誕生し、舗装道路は地球を分断し多くの生命種が絶滅。
・内燃機関の技術は兵器に転用され、局地的な戦争が一気に世界大戦に拡大された。
・さらに人類は「核」の恐怖にさらされることに。

1920年代代のパリから60年代のロンドンへ
・1920年代のパリに集まったアーティスト。ピカソ、マティス、ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、コクトー。中心人物は1人の少女、帽子屋からスタートしファッションの世界に革命を起こしたココ・シャネルだった。
・ロシア革命を避けてパリに逃れてきたロシアのバレエ・リュス。演出家ディアギレフと天才ニジンスキーの舞台をシャネルが援助。美術はピカソやマティス、衣装がシャネル、台本がジャン・コクトー。後年、この舞台はロックコンサートに多大な影響を与えた。
・同じ時代にアメリカ南部で生まれたゴスペルとブルース。
・1930年代のシンガー、ロバート・ジョンソンとサン・ハウスの音楽はエルモア・ジェームスに受け継がれる。
・ゴスペルは神の音楽、ブルースは悪魔の音楽と呼ばれた。教会音楽のゴスペルは、ソウル、ヒップホップ、ラップへ。
・1950年代、フォードがT型フォードを生産し始める。綿花畑の労働者の多くが東部へ。シカゴの自動車産業を背景にバンド形式のシカゴブルースが誕生。
・「ブルースに子供が生まれた。連中はそいつにロックンロールという名前をつけたのさ」(マディ・ウォーターズ)
・ロックンロールは船便でイギリスに渡り、アラン・シリトーなどの「怒れる若者達」と呼ばれた文学と合体することによりロックが誕生する。ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、キンクス、クリーム、ザ・フェイエズetc。

藝術立国とは何か?
・「藝術」とは個的な幻想である。「立国」とは制度である。二つは相反する概念であり、これを同時に実現するのはきわめて困難だ。
・詩と革命に引き裂かれ自殺したマヤコフスキー。
・農村詩人のエセーニンは舞踏家のイサドラ・ダンカンと結婚し、世界を旅し、故国の革命を見る。「天国はいらない、故郷がほしい」の言葉を残して30歳で自殺。彼にとって天国とは社会主義、故郷とはロシアのことであった。
・制度と個的な幻想の対立が、作品にダイナミズムを与える。
・ピカソのゲルニカが世界に与えた影響。

ロックはブルースの子供だった
・ローリング・ストーンズの「ストリートファイティングマン」、ビートルズの「レヴォリューション」における音楽と平和の問題。彼らは当初ラインの手前に止まることを選択した。「金のない子供にできることはロックンロール・バンドで歌うことだけさ」(ストーンズ)、「騒動を起こすのなら俺を頭数には入れないでくれ。毛沢東主席の写真を掲げたって革命なんかできっこないさ」(ビートルズ)
・しかし、歌詞の世界をロックのビートが裏切り、ミュージシャンは果敢にラインを超えていくことになった。
・ジョン・レノンはオノ・ヨーコと出会い「パワー・トゥザ・ピープル」をリリース。東芝EMIは「人々に勇気を」という邦題をつけたが、本当の意味は「権力を人民に」という意味である。
・ストーンズの「ギミー・シェルター」はベトナム反戦を訴えた、核時代の名作であり、多くのミュージシャン達にカバーされた。
・ロックからのメッセージは、明らかに何年かベトナム戦争の終結を早めた。

※ベトナム戦争は、第一次インドシナ戦争の延長上にある戦争のため、第二次インドナ戦争とも言われる。宣戦布告なき戦争であるため、ベトナム戦争がいつ開始されたかついては諸説あり、ベトナム人同士の統一戦争という観点からは、南ベトナム解放民族線が南ベトナム政府軍に対する武力攻撃を開始した1960年12月という説が一般的であるが、アメリカ合衆国と北ベトナムの戦争という観点からは1965年2月7日の北爆を開戦とする説もある。1975年4月30日のサイゴン陥落時が終戦である。

21世紀とはどのような時代か
・2001年9月11日、911テロ直後に放送禁止になったジョン・レノンの「イマジン」は、藝術立国の理想を高いレベルで実現している。だからこそ、この美しいバラードを合衆国当局は怖れ、ジョン・レノンを見殺しにした。
・反ネオコンの立場を鮮明に打ち出したローリング・ストーンズ。最新のメッセージは「ドライヴィング・トゥ・ファースト」である。「そんなスピードでコーナーに突っ込んだらクラッシュしてしまうぞ」。今この曲を聴くと、クラッシュとは東電福島第1原発の事故のこととしか思えない。

※アメリカ同時多発テロ事件。2001年9月11日にアメリカ合衆国で発生した、航空機を使った4つのテロ事件の総称。航空機を使った前代未聞の規模のテロ事件であり、全世界に衝撃を与えた。

現在の日本が抱える平和の問題についての、個人的見解
「オペレーション・コドモタチ」への寄稿

日本のジャスミン革命 山川健一(作家) 
 人間はその土地に生まれ、土地に愛され土地に冒されやがて死に、その土地に同化していく。それが長らく人間の営みでした。しかし、東電福島第一の原発事故は、その大地と空と海を汚染してしまいました。この惨事は日本を後戻りできない場所へ押しやったのだと思います。
 いちばんの被害者は細胞分裂が活発な子供達です。
 子供達の生命と、未来へ引き継がなければならないDNAを犠牲にしてでも、若い母親達を悲嘆の淵へ追いやってでも、経済の歯車は止められないのでしょうか? それでは本末転倒です。人間がいてこそ、国が成立するのですから。このままでは、日本は衰退の一途をたどるでしょう。
 子供達の未来を守る──そのことが、今もっとも大切なことなのだと思います。
 ネットのコミュニケーションの力によって原発を止める。それが「日本のジャスミン革命」なのではないでしょうか。これはもはや、イデオロギーの問題でも経済効率の問題でもありません。子供達の未来を守ることなのであり、ぼくら全員の生命に関わる問題なのです。原発を止めよう──その1点に向けて、力を合わせていくべきだと思います。

山川健一

(ひでを 転載)

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“転載・・・「文化芸術論 ロックと平和」by山川健一” への1件のフィードバック

  1. ひでを より:

    天才たちが残してくれるのは、音楽であり、美術であり、あらゆる豊かで鋭い感性と言葉。
    そして、最後に守り抜いてゆくべきものは、子供たちの未来だと思います。
    その部分がどうしてもブレてしまう人々に対して、私は自分の出来る範囲でしかありませんが、
    最後までコミュニケーションを図る努力をしていきたいと思います。

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